産後うつだけど共働き始めました

うつの子育てはひんしの思い。うつだからこそ復職する、娘と夫と歩む共働きの道。

産後気分が落ち込む時は保健師に相談を

産後うつかなと思った人はメンタルへ!とは言いますが、実際のところ「精神科」って敷居が高いですよね。
現在産後うつで通院中の私がオススメしたいのは、「産後どうにも気分が落ち込んで仕方ない・死にたいと思う時は、保健師を呼ぶ」です。
私もこうなるまで保健師って何してる人なのか知らなかったのですが、ざっくりと「地域の看護士さん」であると思います。地域ごとに担当の方がいて、住民の体や心の健康について相談に乗ったり、健康診断や各種検診などを行っているようです。

私が保健師に相談したのは、産後2ヶ月の頃でした。
産後2週間くらいから、なんだか自分は子育てができていない気がする、子どもが何を要求しているのかさっぱりわからない、何もできてないのにしんどい、自分以外の人はすべてできている気がする、異常に焦る、など、気分がとても落ち込んだり、混乱したりということがありました。
おそらくこれは、割と多くの人が経験しているんじゃないかなと思う、産後ホルモンバランスが崩れることによって気分が落ち込むマタニティーブルーでした。
マタニティブルーの存在は知っていたので、あぁ、ホルモンにヤられているんだなぁと、きっと1ヶ月になるくらいには気分も戻るだろうと思い直しました。

がしかし1ヶ月が過ぎても、なんだか気分が落ち込むんですよね。
毎日何をしたらいいかわからない、何もできていない気がする、イライラする、がんばってない気がする、がんばれない、こんなんじゃ子どもがかわいそうだ、母親としてダメだ、いわゆる毒母になってしまうんだ、ニコニコなんてできない、夫が羨ましい、仕事してる方が楽、逃げたい、消えたい、相変わらず子どもが何を要求してるかわからない、子どもに何をしても不正解な気がする、授乳が苦痛、でも授乳を休むとズルをしている気がする、できてないんだから誰かに代わって休むだなんてサボりだ…
寝不足だし、24時絶え間なく責められ監視されてるような気分で、精神的にかなりギリギリだけど、これは全部、自分が悪いんだ、自分の育児が下手くそなせいなんだと思ってました。
私の育児は何がいけないんだろう。
夫や母はできてるじゃない、大丈夫だよと言いました。
でもだったらなんでこんな辛いんだろう。誰か正解を教えて欲しい。

そんな時に思い立ったのが保健師でした。
産後すぐくらいにあった助産師訪問で、「何かあったらここに保健師や栄養士がいるから〜」と健康センターのチラシを渡されていました。
ここに聞いたら、なんでこんな育児が辛いのか、どうしたら育児が上手くいくのか教えてくれるんじゃないか。
しかし実際電話するには数日を要しました。こんなことで電話するなんて甘ったれてるって言われるんじゃないか。余計ひどいこと言われて傷つくかもしれない。
でもほんともう辛くて、藁にもすがる思いで電話しました。
「あの、……育児にとても行き詰まっていて…」
電話口に出た人は冷静に、
「そうなの、大変だったわね、でもね、あなたがこうやって電話してくれて、本当によかったと思うの」
と言いました。
私は、なんだかもう安心してしまって、これで楽になれるんじゃないかって、泣きながら名前と住所を告げると、やがて自転車に乗って一人の女性がやってきました。
それが地域担当の保健師でした。

保健師は、いま何が大変なのか、家庭内はどんな状況なのか、そんな質問をして、私は泣きながらそれに答えました。
私の育児の何がダメなのか教えてくれるのかと期待していたけれど、話を終えると保健師の彼女はこう言いました。
「一度、受診を考えてみませんか」
その時私はやっと思えたのです。
私は人から見てもなんだかおかしな状態だったのだと。
薄々気づいてはいたのです。育児云々じゃなくて、私の精神がもう耐えきれない状態なんだと。
でもすぐには信じられなくて、私が弱くてダメなだけで、がんばればどうにかなるから受診まではしなくていいんじゃないかと「そこまでは…」と及び腰でしたが、話すうちに、ちょっとでも楽になれるならと受診することにしました。
保健師はまた自転車に乗って颯爽と走り去り、「区外になっちゃうんだけどね…」と、産後うつに理解のある病院へ予約を入れてくれました。
そこから私の、通院ライフが始まったのです。


産後気分が沈んで辛い、ひょっとしたら産後うつなんじゃないか、と思っても、いきなり病院へ行くのはなかなかハードルが高いんじゃないでしょうか。
そんな時、まずは気軽に、まさか、ひょっとしたら、程度の気持ちで、保健師に相談してみてはいかがでしょうか。
産後うつになる人は全体の1割と聞きます。思ってるよりもずっと多くの人が苦しんでいて、保健師も多くの産後うつのお母さんを見ているはず。母親の心身健康面を気にしていて、サポートしてくれる体制になっているはずです。
私も、ズケズケ的外れなこと言われて余計気分が沈んだら嫌だなと思ってたんですが、とても親身に話を聞いてくれて、医療の道につないでくれました。
最初に電話するとき例えば、「産後気分が沈んで憂鬱な時があるので、産後の母親の精神状態に理解ある保健師さんと相談できませんか」と言ってみるのも一つかもしれません。

これは育児が辛いの?それとも他に原因があるの?

迷ったら保健師へ。
マタニティブルーや産後うつじゃなくても、育児相談にも乗ってくれますよ。

産後がんばって疲れてるあなたに、少しでも適切な助けの手が差し伸べられますように。


※私が産後感じた辛さは大なり小なりみんなにあるもので、同じ気持ちを抱いていた=あなたも産後うつ、というわけではありません。
 この辛さが医療の助けを必要とするものなのかいなか、適切な判断の一つとして、保健師への相談をお勧めします。